夢の中では

 

彼女の夢をみた。

彼女は危篤を乗り越えて命を取り止めていたのだ。

 

こんな会話をした。

あの時手術してお腹開いたらかなり全体的に疲労していてもう何もできなかったから、そのまままた縫い直した。

なのにここまで良くなるなんてね、って

 

彼女の病気は手術をして治るような病気でもない。流石夢だ。

 

私は彼女を抱きしめて

たくさんキスをする。

抗がん剤の影響でなくなった彼女の髪は伸びていて

少しボブのようなショートカットが

すごくすごく似合っていて

私は彼女に

この髪型すごい好き!と言っていた

 

私の彼女はほんとに可愛い。

可愛くてかっこいい。

ほんと、夢の中でも可愛かったなぁ。 

 

それからたくさんイチャイチャして

いっぱい話したいって言ってたのに

話してなくてごめんなんていいながら

喋り始める

 

何を話したかは全然覚えてない

 

でもぎゅーっと強く抱きしめたのをよく覚えてる

 

日頃私が抱きしめたいとよく思っているから

そんな欲求が夢に出たんだろうか

夢から醒めると

涙はでず、幸せだったなぁという思いと

虚しさが残る

 

これは夢に彼女に会えたわけじゃないんだろうなと思うから

 

最近彼女が出て来る夢は病気に負けずまだ生きているという設定の夢ばかり

これはきっと私の願望が見せた夢なんだろうと思う

 

私はばかだ

まだこんな願望に雁字がらめにされて

何か奇跡が起きて彼女が帰って来るんじゃないかと待ってる

この気持ちはいつか消えるんだろうか。

諦めがつくんだろうか。

 

ああでも夢の中では幸せだった。

 

夢の中では

心から幸せだと思えるよ。

 

昨日は彼女のためにバレンタインのチーズケーキを作った。

チョコはあんまり好きじゃないから。

あっちの世界にいくとご飯は食べないらしい。

だから気を吸うらしい。

ほんとか分からないけど

チーズケーキの気を吸ってもらおう。

 

今届けにいくから待っててね。